隣の席の●し屋くんと、世界一尊い恋をする。

　少しだけ時間ができたのでリビングの大画面テレビをつけると、お父さんとお母さんのニューヨーク公演が成功したってニュースが流れていた。


「お父さまとお母さま、お元気そうですね」

「ね。　もうすぐ帰ってくるって言ってたから久しぶりに一緒にご飯食べられるかなぁ」

　
　ぼーっと見ていると次のニュースに切り替わる。


　『法務省の鈴井管理官が行方不明になってる事件で、警察は特別対策本部を設置し……』


　この政治家のおじさん、先週から行方不明になってまだ見つかってないんだ。　怖いなぁ。　無事に見つかるといいな。


　
　それから時間になって、学校へ向かうべく最寄り駅へ向かう。　今は試験期間で朝練がないので、美紗ちゃんと待ち合わせて電車に乗り込んだ。


「……なんでそんなソワソワしてるの？」

「え？」

「なんかあったな」


　美紗ちゃんの鋭い眼光にドキッとする。


　なんかあった。　ありすぎた。

　けどなにから、なんて説明していいかわからない。