隣の席の●し屋くんと、世界一尊い恋をする。
 十歳になるころには、道行く女の顔をじっと見つめるだけで金貨を恵んでもらえるようになった。

 恵んでもらった金貨を何に使おうかと考えていた俺の元へ、兄貴が目をキラキラと輝かせて帰ってきた。

「やったぞヨルゴ! 働き口が見つかった!」

「! 本当に!?」

「ああ! マシューっていう公爵の家の掃除係だ! ちょうど前任の召使いが辞めたところで俺たちぐらいの働き手を探してたんだって! 兄弟二人ともいいってさ!」

「マシュー……? もしかして、マシュー・リー・ガリカ……!?」

「なんだ、知ってるのか!?」

 知ってるも何も、スリ仲間の間では有名な少年好きの変態ジジイだ。
 少年にしか興味がないから大きくなったら用済みで、丸裸で放り出されるならまだマシ、殺してミイラにして傍に置いておくらしいなんて恐ろしすぎる噂もある。
 少年でいられる間もなにをされるかわかったものじゃない。 とにかく危険な男だ。 近寄ってはいけない。

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