隣の席の●し屋くんと、世界一尊い恋をする。
「あの……私を殺した人ですよね?」


 こんなセリフを本気で吐く人、たぶんこの世で私以外、いない。



「……」



 隣の席の彼は笑うのをやめ、高校生らしからぬ静かな視線だけ寄越すと、
 
 言葉を発することなく、ゆっくりと口角をあげた。

 それは、前世で私が最期に見た光景と同じ。

 美しい、美しい笑顔。



「……」



 ヒュンッ、と私の内臓がひっくり返った。



「っ、先生ーー!!私!!転校します!!」

「お、それはすごい心意気だな。その気持ちがあればなんでもできるぞー。よし、体育館に移動シマース」

「せんせぇぇぇぇ」



 私は膝を折ってその場に崩れ落ちた。


 だめだ、終わった。

 私の高校生活が。

 私の、愛と希望に満ちたキラッキラの青春がぁ……!!



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