Heart of Innocence 〜きみの願いが叶えばそれだけでいい〜
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二人が初めて出逢ったのは、もうずっと昔。

中学3年の頃、吹奏楽コンクールの中部地方大会でのこと。

コンクール会場で、真っ青になりながら、うろうろしている少女が居た。

一体、何をしているのかと思いつつ、

「大丈夫?」

そう尋ねると、

「同じ学校の皆とはぐれてしまって…どうしよう、もうすぐ出番なのに…!」

おいおい迷子かよ!と、内心突っ込みながらも、僕の学校の番はもう終わっていたこともあって、一緒に彼女の仲間たちを探すことにした。

「真白!こっち!早く!」

彼女と同じ学校と思われる子が大声で呼んだ。

真白と呼ばれた彼女は、僕に何か言おうとしていたが、

「ほら、早く行かないと!」
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