クズで冷徹な御曹司は、キケンな沼です
でも……そうか。

さっき確かに、先輩はこう言った。


――わかりました。家の前で待っておけばいいんですね?


今日、家に帰っても先輩はいない。
時山先輩の家から帰ってこない。

だったら答えは一つ。


やっぱり私は……城ケ崎先輩に見捨てられたんだ。


「邪魔したら許さない。城ケ崎家を不幸にする力が私にはあるって事、忘れないでね」


きびすを返す時山先輩。

そんな先輩の後ろ姿を、ぼやける視界のなか泣きながら見るしかなかった。



𑁍𓏸𓈒


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