君と奏でる世界は、虹色に輝いている。

「…あ…“遠坂さんと一緒に仕事ができるなんて羨ましいです”…って」

「…そう…」

「琴吹さんも一度一緒に仕事してみたいって言ってましたよ」

「それ、さっき本人にも言われた。でも琴吹さんとは音楽性違う気がするし、個人的にああいうタイプは苦手だから」

それが俺の本音。

鈴原さんと琴吹さん、ふたりのライブを同時に観て、改めて思った。

音楽性も人としてのタイプも、俺は鈴原さんの方が合うってこと。

「遠坂さんも苦手なタイプってあるんですね」

「そりゃ、俺も人間ですから」

って、前にも言ったな、このセリフ。

ふと思ったら、「それ、前も言ってましたよね」と鈴原さんに突っ込まれた。

さっき琴吹さんと話していた時とは全然違う、穏やかな空気。

肩の力がふっと抜けるような、心が安らぐ感覚。

鈴原さんは、“癒し系”という言葉がピッタリかもしれない。

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