あの子と私
ヨシはそのまま階段を降り、私は教室に戻る振りをしてソッとヨシの後を付ける。

ヨシは力無く階段を降りていて、もうすぐ始業のチャイムが鳴るせいか、周りには誰も居ない。

行くのよ、アリス…。

少しだけドキドキして思わず笑みが零れた。

大丈夫。

いつだって私はヨシの味方なんだ。

誰も疑う訳がない……。

ヨシ、少し痛いかもしれないけど、ごめんね。


ソッとヨシに近付き、後ろからヨシの背中を押す。


「わーーー」


ヨシは大声を上げて、階段を転げ落ちた……。


「ヨシ、大丈夫?!」


私が慌ててヨシの傍に駆け寄ると、ヨシは少し涙ぐんで言う。


「アリス……。今、誰か見なった?俺、さっき誰かに押されたんだ」


私は平静を装い答える。


「私は…ヨシの声を聞いて急いで階段を降りただけだから…。誰も見なかったよ」

「そっか……」

「それより大丈夫?ケガはしてない?」

「ちょっと足を捻っただけだから大丈夫だよ」


その時始業のチャイムが鳴り、ヨシは疲れた顔をして言った。


「俺、教室に戻るよ」

「何で?」


私が聞くとヨシはどんどんキツイ表情になっていく。

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