【番外編】もしも願いが叶うなら… ー星空の下、キミとの約束。
「元気そうでよかった……」


すれ違って、そんな安心感や色々な感情がこみ上げるのを必死で抑える。

お兄ちゃんのお父さんには声を掛けずに帰ろう。

こんな顔見せられないよ。


もう、お姉ちゃんは十分丘を上がっただろう……。


名残惜しさにこっそりと振り返ると、それが伝わったかのようにお姉ちゃんが立ち止まり振り返った。

その行動に、私は目を見開きながら不自然に目を逸らす。


「あのー!!!…私達、会ったことあるかな!?」


夢みたいな言葉だった。


遠くから叫ぶように尋ねられた言葉に、ギリギリだった私の感情はあふれ出した。


どんどんどんどん溢れ出す涙をそのままに、嬉しさでどうにかなりそうな口角を緩めて、私は再び丘の上へと駆け出した。


「お姉ちゃん!!!!」


ちゃんと思い出したわけじゃないんだろう。

驚いた表情で体を固くするお姉ちゃんに容赦なく抱き着いた。


「お姉ちゃん…っ!」


ふわっと香るお姉ちゃんの髪の匂い。優しく温かい手のぬくもり。

変わってないその安心感に私は目を閉じる。



ずっとずっと、願い続けてきた。


叶うはずがない。

お願いしたって意味がない。


だけど、願わずにはいられなかった。



―――もしも、願いが叶うなら。

もう一度、貴方に会いたい―――



たった一つの願い事が、キラリと光る。


ずっとずっと変わらなかった、人生一番の輝きが、動き始めた。
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