【番外編】もしも願いが叶うなら… ー星空の下、キミとの約束。
キーケースに昔から付けている、ピンクゴールドのチャーム。

少しメッキが剥げてしまっている、それを握りしめて、さっき降りたばかりの階段を駆け上がる。


お参りの列もすり抜けて、一目散に向かった先は、お守り売り場。


さっき、直視できなかった病気平癒のお守りを見つめ、握りしめていたキーケースと見比べる。


やっぱり……同じだ。


改めて認識すると、苦しいほどに感情が溢れ出す。


小学生の頃から、ずっと持っている、私のお守り。


もう、効果なんて随分前に切れちゃってるだろうけど、
ずっと返納も出来ずに持っていた宝物。


そのお守りが、この神社で買われたものだと気付き、私は崩れ落ちそうになる。


「お見舞いですか?」


温かな巫女さんの声に、なんとかギリギリの力を足に込め、私は首を横に振ってその場を去った。

そして、神社の境内の隅、観光客が多い場所から少し離れたところに見つけたベンチに、倒れるようにして座り込んだ。


チャームを握り締めて、私は、漏れそうになる嗚咽を抑え込む。


「……っ、…はぁ…」


必死で紡ぐ呼吸は震えていて、抑えきれなかった熱い雫が零れ落ちた。
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