【短編】綿菓子味のキス


 打ち水がすっかりかわいてしまう頃、夏祭りの明かりが灯る。


 歩く人々のざわめき。


 普段は聞くことのできない下駄の音。


 辺りに流れるソースの焼ける香り。



 お祭。


 縁日。


 にっぽんの夏!



 わたしは、あの提灯がずらりと並んでいるお祭の景色が、この世の中の風景の中で一番好きだ。


< 1 / 5 >

この作品をシェア

pagetop