クールな御曹司の溺愛は初恋妻限定~愛が溢れたのは君のせい~
「お腹空いただろう? 食べよう」
 彼がダイニングテーブルに並べられた料理を見て私に声をかけるけど、その顔は少し疲れて見えた。
 今日帰国したんだもの。疲れていて当然だ。
「あの……先に食べててください。私はちょっと荷解きをしてきます」
 これ以上気を遣わせてはいけないと思ってそう言うと、ひとり屋上のテラスに向かう。
 ウッドチェアが置いてあって、そこに腰かけた。
 気温が低いせいか、吐く息が白い。
 日中降っていた雪はやんで、空にはちらほら星が見えた。でも、なんの星だかわからない。
 明日、私は有栖川さんと結婚する。
 好きな人と結婚するのに、胸に苦い思いが広がるのは愛されていないから。
 一年間の期限付きの結婚。中西さんの監視もついて、有栖川さんにとっしてみれば刑期に等しいかもしれない。
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