クールな御曹司の溺愛は初恋妻限定~愛が溢れたのは君のせい~
 珍しく噛まずに言えたのは、小さい頃からずっと自分に言い聞かせていたからかもしれない。
「陰ながらって、そこは堂々と応援してくれていいんだけど」
 私の発言がおかしかったのか、クスッと笑う彼が目に眩しかった。
 こんな風に笑ってくれたのは初めてだ。彼はクールなタイプで、人前ではあまり笑わない。
 有栖川さんの顔をうっとりと見ていたら、彼がソファから立ち上がった。
「書斎で仕事してくる。神崎さんはもう寝た方がいい」
「はい」と私が返事をすると、彼は「おやすみ」と静かな声で告げてリビングを後にする。
 彼がいなくなると、ソファに座り、ハーッと軽く息を吐いた。
 家でも仕事なんて大変だ。
 私と結婚したら、彼はますますストレスを抱えてしまうのではないだろうか。
 なるべく彼の負担にならないようにしないと。
 結婚しても、私は黒子に徹しよう。そうすれば、彼だって私の存在を気にせずに済むはず。
< 34 / 35 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop