クールな御曹司の溺愛は初恋妻限定~愛が溢れたのは君のせい~
六歳の時にひと目惚れしてから、ずっと有栖川さんだけを見てきた。彼は寡黙なタイプで、騒がれるのは好きではないらしく、女性に対して素っ気ない。いや、むしろ近づくなオーラを放っていた。でも、誰かが困っていたり、ピンチの時には必ず助けてくれる。
そう。彼は一見クールで人を寄せつけない雰囲気を身に纏っているけれど、優しい人なのだ。私が素行の悪い生徒に絡まれていた時も助けてくれたし、急な雨で困っていた時だって、『俺は迎えが来るから』と言って折りたたみ傘を貸してくれた。
有栖川さんに相応しい婚約者になるために努力してきたけれど、私の理想にはほど遠く、陰ながら彼を見守るだけ。
この研究所で働いているのも、将来社長になる有栖川さんの役に立ちたいからだ。でも、そんなことは、彼は知らなくていい。
有栖川さんは今、ARSのアメリカ支社でセールス部門のマネージャーをしている。
彼のおじいさまには『あと数年して蒼が帰国したら結婚式を』と言われているけど、多分実現なんてしないだろう。彼がアメリカに行って四年が経ったし、このまま婚約の話は自然消滅するような気がする。
そう。彼は一見クールで人を寄せつけない雰囲気を身に纏っているけれど、優しい人なのだ。私が素行の悪い生徒に絡まれていた時も助けてくれたし、急な雨で困っていた時だって、『俺は迎えが来るから』と言って折りたたみ傘を貸してくれた。
有栖川さんに相応しい婚約者になるために努力してきたけれど、私の理想にはほど遠く、陰ながら彼を見守るだけ。
この研究所で働いているのも、将来社長になる有栖川さんの役に立ちたいからだ。でも、そんなことは、彼は知らなくていい。
有栖川さんは今、ARSのアメリカ支社でセールス部門のマネージャーをしている。
彼のおじいさまには『あと数年して蒼が帰国したら結婚式を』と言われているけど、多分実現なんてしないだろう。彼がアメリカに行って四年が経ったし、このまま婚約の話は自然消滅するような気がする。