神さまよりもずっと

13.小鳥遊部長の台本

 パサッ。
 不意に目の前になにかが飛びこんできた。
 よく見るとこれは――台本?
「ようやく完成したんだ。今度の公演のストーリー。ひとつのオーディションに失敗したからって、それで終わりじゃないぞ。これからも、あさみんにはがんばってもらうからな」
 手渡された内容に目をやると。
 ん? これは……えっと、あれれ、ウソでしょ!?
「わたしが主役!?」
 セリフも今までより段ちがいに多いよ!
 とまどうわたしを、小鳥遊(たかなし)部長はおもしろそうに笑いながら。
「そんなに困った顔しないで、オレの願いをかなえてくれよ」
「部長の、願い?」
「ひとつ願いがかなったから教えてやる。オレの願いは、好きな子が大いにはばたける台本を作ること。そして、もうひとつの願いは、その子の持つステキな声を最大限に活かせる最高の舞台を完成させること。このとおり、台本はできた。あとは、あさみん。キミが手を貸してくれるだけだ」
 それって……わたしに主役を引き受けろってことかな?  
 できるかな? 大丈夫かな? そんな大役。
 だけど、わたしが主役を演じることで、少しでも部長の願いをかなえられるのなら――。

「わたし、やってみます!」
 思いきってそう答えると、部長は
「よし、その意気だ。期待してるからな」
 と、とってもうれしそうにうなずいた。
「はい!」
 主役なんて責任重大だけど、部長が書き上げた作品を演じられるなんて楽しみだな。
 いったいどんな話なんだろう?
 好きな子が大いにはばたける台本って言ってたけど……。
< 13 / 14 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop