唇を隠して,それでも君に恋したい。


「リューは何も言ってないだろ!!」

「はいはい。僕の事はいいんだよ三太。それより僕も着替えたいから出ていって」



気付けば教室内から,僕らを気にしていた男子のクラスメートも殆んどいなくなっている。

三太の背中を無理に押して軽い口調で追い出すと,その後ろを敦たちもついていった。



「テニスか~,さみーんだよな~」

「それより俺は毎回同じことさせられんのがつらい」

「俺も敦寄り。テニスはリュー以外皆弱すぎてやりがいないんだよね」

「? そう? 三太が激弱な以外皆変わらないと思うけど」

「……まじかー」



廊下を響いて,離れていく皆の声が聞こえる。

僕はあそこには混ざれない。

時計を確認して,僕は焦りながら全ての服を落とした。

ジャージのチャックを1番上までジーと上げる。




「……これは見せられないでしょ」



誰もいない空間は,いつも僕に現実を見せつけてくるようで,嫌いだ。

そっと撫で付けて,僕は走った。

女みたいな綺麗な顔。

それ以外にも,女みたいだと思う所がある。

それでも,僕は生まれつき男だ。

それでも,僕は僕のまま,敦の事が好きだ。

それはきっと,この先も変わることがない。

僕は全部,とっくに受け入れている。

受け入れているけど,たまに。

どうしよもなく,さみしい。
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