【完結】大人女子✕年下男子!あなたがだいすきです!可愛い年下わんこ君との恋人7日間契約

水曜日・おうちデート


 繋いだ手は離れる事なく、隆太朗の部屋に着く。

「おじゃまします」

「はい、いらっしゃいませ! スリッパ、新品なのでどうぞ」

「えぇ! わざわざ!?」

「はい~だって、男連中はいっつも裸足になるからスリッパなくって」

 そう言って、可愛らしいピンクのスリッパを出してくれた。

 新築のマンションで、モントーンの家具でまとめられた部屋。
 独身用にしては、台所が広いことが決め手だったという。

 朝から晩までパティシエ見習いとして働いているのに、家でもお菓子作りの研究をしているそうだ。
 立派なオーブンは祖父母からのプレゼントらしい。
 家族から大事に愛されている事が、飾られた家族写真からも伝わってくる。

 そして部屋じゅう、良い香り。

「いい香りね」
 
「えへへ! ビーフシチュー作りました」

「まぁ、すごいわね」

 つい年下部下を見るような上司目線で言ってしまった! と思う。

「褒められて嬉しい。利佳子ちゃん、あとでタクシー呼ぶから楽しんでってくださいね」

「そんな事まで気を遣わなくていいのよ」

 まだ、どんな風に接したらいいのかわからない。
 でもいつまでも仕事モードなのは疲れてしまうような気がした。

「あと、隆太朗君、敬語は遣わなくていいわ。自然に話しましょう」

 隆太朗の顔が緩む。

「利佳子ちゃん……いいの? 嬉しいです……いや、嬉しい」

「あ、あと、そのちゃん付け!」

「うん?」

「ちゃん付けされるなら、まだ呼び捨ての方が……いいかも」

「じゃあ……利佳子」
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