【完結】大人女子✕年下男子!あなたがだいすきです!可愛い年下わんこ君との恋人7日間契約

木曜日・あなたは私に会いに来る


 木曜日。
 
 利佳子は会社に行くまでが、不安だった。
 昨日のあの隆太朗の宣言を聞いて、二人は飲みながら何を話したのだろうか……。

 隆太朗からのお詫びの品を持って、今日は朝から一駅歩いた。
 美味しいケーキを連日食べ過ぎているからだ。

「おはようございます」

「あ、課長~! おはようございまぁす!」

 みんなが、少し利佳子を怖いと思って距離を置くのに新人さんは違う。
 今日もキラキラ輝いている。
 
「昨日は驚かせてごめんなさいね」

「いいえー! あの後、ラブラブしちゃったんですか~? もしかして朝帰り?」

「ま、まさか。当然帰宅しています」

「えぇー! 付き合い始めなのにぃ~って、また怒られちゃう!」

 きっと事務員さんに言われたんだろう。
 テヘペロ! も利佳子から見ると可愛いものだ。
 
「付き合い始めというかね……付き合い終わりへ……というか。いえ、こっちの話。あの、これ彼からのお詫びなの」

 変なことを口走ってしまったと思いながら、紙袋を渡す。

「えーお詫びぃ……ですか? なんの?」

「あの、彼が合コン参加をキャンセルさせたことを気にしていて……私からもお詫びしたいのだけど、とりあえず彼からのお詫びの品なの」

「ひゃ~!? そんなの全然! いいんですよぉ~!? ドタキャンとかふつーだし……って! こ、これ……めっちゃ有名店の!? うわぁ箱詰め~~!! うっそぉ!? こんなの貰っちゃっていいんですか?」

 新人さんは、一気に興奮して周りの女性社員達も注目する。

「えぇ。彼からので……私からもお詫びを……」

「やったぁ~! ありがとうございますーーー! これだけで十分っていうか、すごすぎ! 課長めっちゃ愛されてるーーー! 溺愛~~!」

「愛され……!?」

「こらぁ、また課長を困らせてる! 課長、おはようございます」

 後ろから事務員さんが、やってきた。
 
「おはようございます。あの、昨日は突然驚かせてしまって……」

「いいんですよ。……でも落ち着いたら今度ゆっくり話を聞かせてくださいね!」

「え、えぇ」

 事務員さんに話す頃にはもう……。
 『振られてしまったわ』と笑い話にできるように頑張らなければ。

「えー私も話したいです~~! ってかこれ見てくださいよぉ!」

「わっ! すごいお菓子じゃない! 課長から?」

「じつはぁ~」

 その後、新人さんは事務員さんにだけお菓子をお裾分けしていた。
 どうやら昨日、二人で夕飯を食べて仲が深まったらしい。
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