❤️俺にお前の心をくれ~若頭はこの純愛を諦められない
組の若頭ともあろうものが知らなかったでは済まされない。

俺は命を狙われた。

脇腹に食い込んだ拳銃の弾は、思いもよらぬ破壊力だった。

ナイフで切られたよりも、さらに痛みは増し、流血は止まらない。

(やべえ、俺の人生二十五で終わりかよ)

その時、俺に声をかけてきた女がいた。

「怪我しているんですか」

俺は逃げて走った途中にスマホをなくした。

「すまねえが、仲間に連絡とりたいから、スマホ貸してくれねえか」

藁をも掴む気持ちだった。

「どうぞ」

その女はスマホを俺に差し出した。

俺は西園寺組、渡辺龍に連絡した。

小さい頃から俺の兄貴みたいな存在で、俺のそばにいつもいた頼れる奴だ。

「若頭、どちらにいらっしゃるんですか」

「新宿三丁目の裏通りだ」

「そこは山本組の島です、すぐに移動してください」

「銃で撃たれて動けねえ」
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