❤️俺にお前の心をくれ~若頭はこの純愛を諦められない

第三章 お前は命の恩人だ

五年前、俺は西園寺組若頭の地位を甘く見ていた。

「一人で出歩くな、お前の命はたった今から狙われているのだからな」

父である組長の言葉に聞く耳を持つことはなかった。

たとえ、どこの誰だかわからないやつが、俺の命を狙ったとしても、

俺は喧嘩に負けたことはなかった。

極道の世界ではチャカと呼ばれる拳銃という武器を誰もが手に入れられる。

殴られたら殴り返す、でも撃たれたらそれで終わりだ。

五年前のあの日、俺は一人で出歩いた。

西園寺組では大騒ぎだった。

「若頭の姿がありません」

「急いで探せ」

しかも、未知の世界は魅力に溢れている。

他の組の島に入ろうものなら、大変なことになる。
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