監獄学園にやってきたクズな大罪人は、男ぎらいな次席看守さまを落としたい。


「自分が犯した罪と向き合って、()いる場所ですっ!被害者になにができるか、被害者の家族になにができるか考える場所なんです!」


「う、ぅ、くる、し…っ!」


「反省しなさいっ、103番!あなたはもうエリートなんかじゃないっ、クズな犯罪者です!」




 バッと手を離して、ぎりりと歯噛みしながら距離を取った。

 ここにいるのは、相応の罪を犯した犯罪者たち。

 72番は放火をしたし、雷牙は…たくさんの人を殺した。


 そう、受刑者はのびのびと気楽に過ごしていい人間じゃないんだ。

 眉根を寄せて視線を向けると、雷牙はへらりと笑って「お疲れ」と口にした。



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