監獄学園にやってきたクズな大罪人は、男ぎらいな次席看守さまを落としたい。

デートの約束

藤枝(ふじえだ)景依(けい)視点―


 あっという間に8月が来て、監獄学園も夏休みに入った。

 …とは言え、うちは少年刑務所も兼ねている特別な施設。

 各クラスが2週間ずつ看守を受け持って、残りの2週間が完全な休みとなる。


 ちなみに特進クラスは、夏休み初週と最後の週、1週間ずつを看守業務に使う変則スケジュールだ。

 今日は夏休み5日目。

 あれから雷牙(らいが)がまったく絡んでこなくなったから、私はなににも惑わされることなく、仕事に集中できている。




藤枝(ふじえだ)


「あ、財前(ざいぜん)先輩。おはようございます!」




 朝礼まえ、だれよりもはやく刑務所棟に来て心身を整えていると、財前先輩も半袖の制服姿で会議室にやってきた。




「おはよう。はやいな」


「はい、今日ははやく支度が終わりまして…」


「そうか。…始業まえだ、すこしはなしでもするか」
< 152 / 289 >

この作品をシェア

pagetop