監獄学園にやってきたクズな大罪人は、男ぎらいな次席看守さまを落としたい。


「ちょっと、なにをするんですか」


「密談にはいい場所だろ?せっかく2人なんだし、はなしでもしようぜ」


「まだ仕事中です」


「仕事中以外には会えないだろ」




 さらに私の手を引いた雷牙は、壁に沿うように私を立たせて、顔のよこにひじをつく。

 近くにある顔からそっと目をそらせば、笑うような吐息が聞こえた。




景依(けい)。俺の気持ちはさんざん伝えてるよな。…まだ、うそだと思ってるか?」




 ドキッとして、返答に迷う。

 これは、どう答えるべきなんだろう…。

 真剣に受け取ってないって思わせたほうがいいのかな?




「…もちろんです」


「じゃ、キスしてわからせるけど」


「ほ、本気だと思ってるっ!」


「ははっ、よろしい」
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