監獄学園にやってきたクズな大罪人は、男ぎらいな次席看守さまを落としたい。


 キスされるのは回避できたみたいで、ほっと肩を落とした。

 ちらりと雷牙を見ると、笑みを浮かべたまま見つめられる。




「それじゃ、景依は俺のこと好きか?」


「そ、そんなわけないでしょう。私は看守、あなたは受刑者です。恋愛対象にもなりません」


「3年後にはただの男と女だろ」


「で、でも、あなたは赤城(あかぎ)会の身内です」




 目をそらして言うと、「あぁ」と相づちがおちる。




「ちょっとまえまではな」


「えっ?」




 ちょっとまえまでは、ってどういうこと…?




Verbrechen(フェアブレッヒェン)のやつらをかくまってる場所、洗いざらい吐いただろ。あれで俺のじいさんが怒ってな」


「えっ」


「勘当された。…まぁ、そうじゃなくても縁切るつもりだったけどな」


「か、勘当?」
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