監獄学園にやってきたクズな大罪人は、男ぎらいな次席看守さまを落としたい。


『ついでに好きなタイプでも言おうか?』


『気が強くて、まっすぐで、度胸がある女だ。気が強いって点で、おまえはいい線いってるな』




 …あ。思い出した。

 そういえばあのときのお返しに教えてやったんだっけな。


 …は?まじで?




「キングもせんせーのこと好きなんだ!」


「いや、んなまさか…」




 はは、ははは。

 …。


 ひたいを押さえて、景依のことをすみからすみまで思い出す。

 すると、高揚してきた気分を、最初は気のせいだろ?と笑い飛ばした。


 たしかに、最初に会ったときから気持ちのいい女だとは思っちゃいたが。

 からかえばむきになって噛みついてくるし。

 男ぎらいのくせして、俺のうそにはかんたんにだまされるし。
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