監獄学園にやってきたクズな大罪人は、男ぎらいな次席看守さまを落としたい。
 立場のちがいを思い知ったくせに、強気で接してくるし。



 …やべぇ。

 考えれば考えるほど、好みの要素しかない。


 いや、別にチビは好きじゃねぇけど。




「はー、まじか…」




 まさかいまさら、色恋におぼれるなんて。

 一回自覚したら、もう止まらねぇ。


 俺は笑みが浮かぶ口元を、片手でおおいかくした。


 …藤枝景依。

 惚れたからには、ぜってぇ落としてやる。



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