監獄学園にやってきたクズな大罪人は、男ぎらいな次席看守さまを落としたい。


 ドキッとしつつ、体の力が抜けて…ちいさく「ありがとう」とこぼせば、すぐにそれをかき消すような大声が聞こえた。




「どうしました!?」


「っ!?」




 びっくりすると同時に我に返って、108番からすこし離れる。

 え、私いま、ものすごい醜態(しゅうたい)を…!?

 っていうかやばい、この状況!


 また謹慎(きんしん)に…!


 さぁっと青ざめると、なにを思ったか、108番が私の腰をなでてきた。




「きゃぁっ!?な、なにっ…!」


「あーあ、そんなに叫ぶことないだろ?たかが尻さわったくらいで」


「はぁっ?」


「センセーが悲鳴上げるから他の看守が来ちまったじゃねぇか。セクハラ耐性ねぇのな」




 なにを言ってるのこの男は…。

 怪訝(けげん)な目で見ると、108番は駆けつけてきた刑務官に拘束されて、私から引き離された。
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