Bravo, nous avons gagné !
「帰るのがつらいなら、僕のところに暫く泊まっても構わないんだよ」
 夕夜は、自分にはそれだけしか出来ないと、無力さを感じていた。
「嬉しいな。でも、夕夜さんに迷惑かけちゃうから」
「迷惑だったら、こんなこと提案しないって」
 薄暗い海辺で、芙蓉は夕夜を見つめ、
「本当にいいの…?」
「もちろん」
「ありがとう。やっぱり、私が頼れるのは夕夜さんしかいないなぁ」
 やっと、芙蓉は笑顔を取り戻した。
 夕夜は、
(この笑顔、いつも見ていたいな…)
 口にはできないまま、そっと思った。
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