パブリックダーリン~私と彼と彼氏~
「ケイのせいじゃないよ」

逸らしていた視線をケイの方に戻して、手を伸ばしてケイの頬に触れた。

下を向くケイの顔を起こして目を合わせた。

「ケイは悪くないよ。私が甘かったっていうか、柏木先輩がそこまでやってるとは思わなかったし、騙されてのこのこついてった私が1番悪いし…」

私の考えが足りなかったのが原因でこんなことになっちゃたのは事実だし、私もよくないところはあった。

あんな嘘、信じる方がどうかしてる。

今なら冷静に思えるのに。

「それになんともないから!」

「だから起きてからじゃ遅せぇんだよ、つーか起きてるだろ!」

ケイの頬から手を離してポシェットからスマホを取り出して前に出すように画面を見せた。

「LINE、見てくれたんでしょ?」

笑って見せるとつり上げてたケイの眉がハの字に変わり決まりの悪い顔をして目を細めた。

「…わかりいくLINEして来るんじゃねぇよ」

「でも伝わったじゃん!」


“今から家行ってもいい?”


柏木先輩の後ろを歩いていた時、こそっと彗くんにLINEを送った。ケイがLINEを開かなくてもメッセージが届けば画面には表示されるからきっと見てくれるって思って、彗くんに送ってるかのように伝えたいことを送った。

ちゃんと伝わったってことだよね?

「絶対来てくれると思ったから、ケイなら!」
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