パブリックダーリン~私と彼と彼氏~
「紫衣ちゃん?」

「あ、うん!彗くんすごい運動得意なんだね!200メートル走でも1位だったもんね!」

「走るの好きなんだ~、特に短距離は好き!」

「いいな…、そのセリフ1度でいいから言ってみたいセリフだよ…」

極力運動は避けて生きていきたい、体育祭なんて小学校の頃からずーっと憂鬱でしかないもん…

今年は玉入れだからそこまで気にしなくていいしよかったなぁ~、そう思ったら気楽でお弁当に入っていたお母さんが作ってくれた卵焼きもパクッとイケちゃうね。

「彗くんは午後は何出るんだっけ?」

卵焼きをモグモグしながら隣を見たら彗くんのコロッケパンはもう半分なくなっていた。

「んっとねぇ~、騎馬戦と綱引き!本当はリレーも出たかったんだけどジャンケンで負けたんだよね」

「リレー出たい人そんなにいたの!?」

「男子は結構人気だったよ、女子は違うの?」

「女子はやりたい人のが少ないよ、最後まで誰がやるかなかなか決まらなかったよ」

バスケ部の美月は立候補してたけど、他は数人いただけでだいたいは軽い気持ちでいいよ~なんて言わないから男子と違ってジャンケンで負けたら出ることになっちゃうのが女子のリレーで。

そこをなんとか体育祭実行委員は仕事多いの!

だけで乗り切るためにタスキかけてるようなもんだから全然実行委員の仕事全然忙しくない、むしろありがたくてしょーがない。

「あ、私最後のリレーの時はタスキ係ないんだ。一緒に応援しよ!」

「いいね、しよう!出れない分いーっぱい応援する!!」

「うん!」

体育祭最後にあるクラス対抗リレーは彗くんと見る約束をした。

いい締めくくりだね、それは!

さっ!午後もがんばるぞ~!

体育祭実行委員の仕事と玉入れが私を待ってる!
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