純白の巫女と純黒の極道
転校生は
「ハァ……」
次の日。
あの人の事が頭から離れられなくて、あまり眠れなかった。
別に恋をしているからじゃない。
あまりにも印象が強かったのと、またいつ現れるか心配だったから。
「どうしたの?鈴ちゃん。ため息なんて吐いちゃって」
「あ、皐月(さつき)くん。私顔に出ちゃってた?」
「うん、すごく分かりやすい」
この人は高波 皐月(たかな さつき)くん。
前髪がちょっと長めで、垂れ目なのが特徴。
あと、人見知りなの。
隣のクラスになった時、話しかけた時はすごく怯えてたんだ。
けど、仲良くなるとすごく良い人でね。
よく一緒にお昼を食べるんだ。
「なにかあったの?」
首をかしげられて、少し申し訳ない気持ちになった。
なら、話しておこうかな。
皐月くんなら安心して相談できるしね。
「あの、実は……」
『キーンコーンカーンコーン』
運悪く、チャイムが鳴ってしまった。
黙っておかないと先生に怒られちゃう。
「ごめん、また後でね」
「うん」
微笑んでいると、ちょうど先生が教室に入って来た。