純白の巫女と純黒の極道
「よし、みんな席についたな。今日はビックニュースがあるぞ」
その言葉に、クラスのみんなはなぜか嬉しそうにしている。
私は全然分からず、首を傾げるだけ。
すると察してくれたのか、皐月くんが顔を耳元に近づけてきた。
「今日は転校生がこのクラスに来るって噂があるんだよ」
なるほど。
だからみんな興味深々なんだね。
私としても、新しいクラスメイトが来るのは嬉しいことだ。
けど、本当に転校生が来るのかは分からないし……。
「このクラスに転校生が来るぞ」
あっという間に、私の考えは断ち切られた。
周りには、ざわざわと騒ぎ声が広がってきた。
「転校生だって」
「美少年だといいね」
「いや、転校生は可愛い女の子だろ」
「アンタそればっかり」
みんなワクワクしているけど、私だけはワクワクしきれない。
いや、新しい友達ができることはすごくいいことだよ。
けど、なぜか昨日の人のことが頭に浮かんでいる。
絶対、あの人がここに来るはずないのに。
「お前ら静かにしろよー」
先生の声で、教室中が静かになる。
「オッホン。さて、入りなさい」
咳払いをすると、先生の声を合図に、ガラガラっと扉が開いた。
一体どんな人なんだろう。
ドキドキしながら、教室の扉の方を見守る。
すると。