「妹にしか思えない」と婚約破棄したではありませんか。今更私に縋りつかないでください。
「あ、すみません。急に大声を出してしまって……」
「いいえ、お気になさらないでください……」
「でも、本当なんです。レミアナ嬢が支えてくれるなら、それは俺にとって百人力です。体の底から力が湧いて来るというか……」
「ふふ……そうですか」
「あ、えっと……」

 クルレイド様の言葉に、私は笑みを浮かべていた。
 すると彼は、少し悲しそうな表情をする。それがなんだか、私には少し可愛く思えた。

 凛々しい所もあるが、子供の一面もある。今のクルレイド様は、そんな年齢だ。
 そこまで年齢差はないので、私が大人であると自信を持っていえる訳でもない。だが、それでも年長者としてしっかりしなければならない。彼の様子に、私はそんなことを思っていた。
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