キケンな夜、追われる少女は、ヒミツの甘園へ迷いこむ

だからみんな、それぞれを苗字で呼んでいるんだ。

なんか違和感あるなぁって思ったけど……ちゃんと理由があったんだね。


「あの、もしかして名前で呼びたいって……思ったりしますか?」

「どういうことです?」

「いえ、本当はみなさん、昔みたいに仲良く遊びたいんじゃないかって……いえ、すみません。勝手なことを言いました」


出過ぎたことを言っちゃった。

慌てて口を閉じる私を、梗一くんは「はぁ」とため息をつきながら見た。


「仲が良かったのは昔のことです。今はもう慣れましたよ。それより――いつまでじゃがいもむいてるんですか。ほら、行きますよ」

「でも、まだじゃがいもが残ってて、」


じゃがいもの塔はなくなったけど、まだまだ目の前に転がっている。

全てむき終わるまでは――と思ったけど、梗一くんにより強制的に食糧庫を退室させられた。
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