キケンな夜、追われる少女は、ヒミツの甘園へ迷いこむ

「い、いいの?」

「むしろ何でダメ? 俺はすぐにでも欲しいけど」

「……ふふ」


さっきのオリさんの言葉を思い出す。



――凌生様は指一本、髪の毛一筋に至るまで、未夢さんを愛しておられますから



なんて大げさな表現、って思ったけど。

でも凌生くんが言葉で体で「私を好き」と表現してくれるから……オリさんの言葉を信じられる。


だから応えていこう。

少しずつでも、もらった喜びを返していくんだ。


「私も、凌生くんの全てが大好き」

「……むり。可愛すぎる」

「え、聞こえない声で言ったつもりなのに、」

「もう覇鐘は知らない。このまま指輪の店に行くからな」

「そ、それはダメですッ!」


つい敬語を使った私に、凌生くんのにんまりした笑みが向けられるのは……三秒後。
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