Love is blind〜無口で無愛想な作家は抑えられない独占愛を綴る〜
「きっと作品から僕の春香さんへの想いが駄々漏れだったのかもしれません」

 瑠維の手が春香の肌の上を滑り、胸をすっぽりと両手で覆い、優しく揉み始めた。

 どうしよう……あまりの気持ちよさに頭がクラクラする。

「作品を書いた頃は、こうなる未来を全く想像していませんでした。だから……幸せでどうにかなりそうなんです」
「私もだよ。今すごく幸せ」
「春香さん、愛しています。この言葉がこんなに簡単に口から出るなんて思いもしなかった」

 春香は振り返り、瑠維にキスをした。

「私も瑠維くんを愛してるよ」

 あまりにも長いことキスをしていたせいで、二人はのぼせそうになってしまう。

 熱い吐息が口から漏れると、瑠維が何かを思い出したかのように目を開いた。

「そうだ。鮎川さんにもらったシャンパンとケーキがありますが、食べますか?」
「そうだね。せっかくだし、ケーキ食べたいな」
「じゃあそろそろ出ましょうか」

 春香が頷くと、瑠維の力強い腕に抱き上げられる。彼の首にギュッとしがみつきながら、早くなった互いの鼓動に耳を澄ませた。

 瑠維くんが幸せと言ってくれてすごく嬉しい。今が幸せならそれでいい気もする。だけど彼の抱えた過去について、話してくれる日は来るのだろうかーー瑠維くんはずっと一人で抱え込んで生きていくのだろうか。

 分かち合いたいけど、それは私が口を出していいことではない。瑠維くんの意思を尊重すべきことなのはわかっているーー。

 心配をかけたくないのだろうと鮎川は言っていた。しかし春香の気持ちとしては、瑠維にまだそこまで信頼されていないような気がしていた。

 誰にだって、人には言えない秘密はあるもの。それが愛する人であってもーー。

 今は『愛してる』と言ってくれた彼を信じて待とう。だって私も瑠維くんを愛しているから。
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