Love is blind〜無口で無愛想な作家は抑えられない独占愛を綴る〜
* * * *
休日の昼下がり。やはり美術館は混雑していた。なかなか進まない列から離れ、二人は少し離れた場所から壁に掛けられた絵画を楽しむ。
「もう少し近寄りますか?」
心配そうに尋ねた瑠維に対し、春香は首を横に振った。
「大丈夫だよ。ここからでもしっかり見えるから」
それから二人は物販コーナーに流れ、図録やミラー、巾着袋などを袋いっぱいに購入してから展示室を後にした。
時計を見ると、丁度よく昼食の時間を指している。春香と瑠維は美術館のすぐそばにあったカフェに入ることにした。
入口近くの席に案内された二人は、同じランチプレートを注文し、ようやくホッと一息ついた。
「すごく混んでたねぇ。ちょっと疲れちゃった」
「予想はしていましたが、それより人が多かった気がします」
「でも行けて良かったよ。たくさんグッズを買えたし。チケットもらってくれてありがとう」
「いえ、春香さんが喜んでくれたのなら何よりです」
瑠維は喜びを隠すかのように、グラスに入った水をグイッと飲み干した。
「私ね、普段は一人で美術館に行くことも多いんだけど、こうして誰かと一緒に行くのも新鮮だなって思ったよ」
「近藤先輩とは行かないんですか?」
「行く時もあるんだけど、意外と一人の方が見る時間とか気にしなくて済むから楽だったりするんだよね。でも瑠維くん、私に合わせてくれてたでしょ? すごく見やすかったもの」
「……僕も春香さんの楽しい時間を共有出来て良かったです」
瑠維との時間は春香にとって居心地が良く、穏やかに過ぎていく。
その時、二人の前にランチプレートが届いた。グリーンサラダにチキンのハニーマスタードソースがけ。人参ラペやポタージュ、ほうれん草のキッシュなどがワンプレートに載っていて、見た目だけでも食欲をそそる。
待ちきれなくなって、早速食べ始めた二人は顔を見合わせて微笑んだ。
「このポタージュ美味しい!」
「このチキンのハニーマスタードソースも美味しいですよ」
美味しい食事に舌鼓を打ち、空になった皿に満足していた頃、それは突然やってきた。
休日の昼下がり。やはり美術館は混雑していた。なかなか進まない列から離れ、二人は少し離れた場所から壁に掛けられた絵画を楽しむ。
「もう少し近寄りますか?」
心配そうに尋ねた瑠維に対し、春香は首を横に振った。
「大丈夫だよ。ここからでもしっかり見えるから」
それから二人は物販コーナーに流れ、図録やミラー、巾着袋などを袋いっぱいに購入してから展示室を後にした。
時計を見ると、丁度よく昼食の時間を指している。春香と瑠維は美術館のすぐそばにあったカフェに入ることにした。
入口近くの席に案内された二人は、同じランチプレートを注文し、ようやくホッと一息ついた。
「すごく混んでたねぇ。ちょっと疲れちゃった」
「予想はしていましたが、それより人が多かった気がします」
「でも行けて良かったよ。たくさんグッズを買えたし。チケットもらってくれてありがとう」
「いえ、春香さんが喜んでくれたのなら何よりです」
瑠維は喜びを隠すかのように、グラスに入った水をグイッと飲み干した。
「私ね、普段は一人で美術館に行くことも多いんだけど、こうして誰かと一緒に行くのも新鮮だなって思ったよ」
「近藤先輩とは行かないんですか?」
「行く時もあるんだけど、意外と一人の方が見る時間とか気にしなくて済むから楽だったりするんだよね。でも瑠維くん、私に合わせてくれてたでしょ? すごく見やすかったもの」
「……僕も春香さんの楽しい時間を共有出来て良かったです」
瑠維との時間は春香にとって居心地が良く、穏やかに過ぎていく。
その時、二人の前にランチプレートが届いた。グリーンサラダにチキンのハニーマスタードソースがけ。人参ラペやポタージュ、ほうれん草のキッシュなどがワンプレートに載っていて、見た目だけでも食欲をそそる。
待ちきれなくなって、早速食べ始めた二人は顔を見合わせて微笑んだ。
「このポタージュ美味しい!」
「このチキンのハニーマスタードソースも美味しいですよ」
美味しい食事に舌鼓を打ち、空になった皿に満足していた頃、それは突然やってきた。