Love is blind〜無口で無愛想な作家は抑えられない独占愛を綴る〜
瑠維はお皿を持ったまま黙りこくり、下を向いて動かなくなる。
「あの……怒ってますか?」
「ん? なんのこと? 怒ってなんかないよー」
「そ、そうですか……」
「でも……なんか変な気を遣われてるなぁとは思うの。だって昔の瑠維くんは、ヒロくんに対して、良くも悪くもストレートに的確なことを話してたでしょ? なのに今は、腫れ物にでも触るみたいに慎重になってない?」
「そんなつもりは……ただ……池田先輩と近藤先輩が付き合い始めたと聞いて……その……」
春雨スープを器に注ぎながら、口籠る瑠維を見て小さなため息をついた。
「そういうことを聞くっていうことは、私がヒロくんを好きだったことを知ってるんだね。だから私が椿ちゃんと仲良しなのが不思議なんでしょ?」
「……はい、その通りです」
出来上がった春雨スープをカウンターに移動させ、ワークトップの空いたスペースに瑠維は皿を並べて置いた。その横顔からは、彼の緊張や気まずさが伝わってくるようだった。
よく考えてみれば、瑠維と博之の間には絶対的な信頼関係が存在していた。だからこそなんでもストレートに伝えられたのだろう。
それに比べたら、昨日ようやく話が出来た春香に気を遣うのは当然の事かもしれない。
これは瑠維くんの優しさなのかな……そう思うと、自然とモヤモヤは晴れていく。
「そっか。でも大丈夫だよ。私と椿ちゃん、お互いにヒロくんが好きだったことを知ってるし。なんていうのかな……同じ人を好きだった同志みたいな感じなの。好みが似てるから、そのわだかまりがなくなったら、逆に親友になれちゃった」
「それは……今も池田先輩が好きということではないんですか?」
「うーん、私にとってヒロくんも椿ちゃんも大切な友だち。それが今の私にとっての最上級の表現。二人がずっと両片思いだったことを知っていたからこそ、二人が繋がる未来が来ればいいのにってずっと思ってたの。だから今回二人が付き合うことになって、私は嬉しくて仕方ないんだよ」
「じゃあ本当にもう、ただの友達なんですか?」
「もちろん。というか"推し"だから」
「そうですか……それなら安心しました」
どうして私と椿ちゃんの仲が良ければ安心なの? 不思議な気持ちになりながら、フライパンで作っていた鮭のちゃんちゃん焼きを皿に盛り付ける。
「運びます」
そう言って両手に皿を持った瑠維の足取りががやけに軽く見え、春香は思わず目を擦る。しかし変わらず冷静な瑠維を見て、自分の見間違いだったと知り苦笑いをした。
「あの……怒ってますか?」
「ん? なんのこと? 怒ってなんかないよー」
「そ、そうですか……」
「でも……なんか変な気を遣われてるなぁとは思うの。だって昔の瑠維くんは、ヒロくんに対して、良くも悪くもストレートに的確なことを話してたでしょ? なのに今は、腫れ物にでも触るみたいに慎重になってない?」
「そんなつもりは……ただ……池田先輩と近藤先輩が付き合い始めたと聞いて……その……」
春雨スープを器に注ぎながら、口籠る瑠維を見て小さなため息をついた。
「そういうことを聞くっていうことは、私がヒロくんを好きだったことを知ってるんだね。だから私が椿ちゃんと仲良しなのが不思議なんでしょ?」
「……はい、その通りです」
出来上がった春雨スープをカウンターに移動させ、ワークトップの空いたスペースに瑠維は皿を並べて置いた。その横顔からは、彼の緊張や気まずさが伝わってくるようだった。
よく考えてみれば、瑠維と博之の間には絶対的な信頼関係が存在していた。だからこそなんでもストレートに伝えられたのだろう。
それに比べたら、昨日ようやく話が出来た春香に気を遣うのは当然の事かもしれない。
これは瑠維くんの優しさなのかな……そう思うと、自然とモヤモヤは晴れていく。
「そっか。でも大丈夫だよ。私と椿ちゃん、お互いにヒロくんが好きだったことを知ってるし。なんていうのかな……同じ人を好きだった同志みたいな感じなの。好みが似てるから、そのわだかまりがなくなったら、逆に親友になれちゃった」
「それは……今も池田先輩が好きということではないんですか?」
「うーん、私にとってヒロくんも椿ちゃんも大切な友だち。それが今の私にとっての最上級の表現。二人がずっと両片思いだったことを知っていたからこそ、二人が繋がる未来が来ればいいのにってずっと思ってたの。だから今回二人が付き合うことになって、私は嬉しくて仕方ないんだよ」
「じゃあ本当にもう、ただの友達なんですか?」
「もちろん。というか"推し"だから」
「そうですか……それなら安心しました」
どうして私と椿ちゃんの仲が良ければ安心なの? 不思議な気持ちになりながら、フライパンで作っていた鮭のちゃんちゃん焼きを皿に盛り付ける。
「運びます」
そう言って両手に皿を持った瑠維の足取りががやけに軽く見え、春香は思わず目を擦る。しかし変わらず冷静な瑠維を見て、自分の見間違いだったと知り苦笑いをした。