Love is blind〜無口で無愛想な作家は抑えられない独占愛を綴る〜
* * * *
昼食を食べたカフェに併設されたデリで、夕食用のおかずをいくつか購入してから、二人は瑠維のマンションに戻ってきた。
明日は仕事だし、一人なら少し怠けてしまおう。そんなふうに思いながら冷蔵庫に商品をしまう。
「春香さん、僕はこれから出かける準備をしますが、もしインターホンが鳴ったら出ずに教えていただけますか?」
「うん、もちろん」
そう告げて瑠維は書斎へと入っていく。
ここは瑠維の家だし、彼を通すのが当たり前だと思うのだが、わざわざそう告げるということは、何か知られたくない相手が来るのだろうか。
ま、まさか女性ーー? 好きになるのに時間がかかるし、彼女もいないと言っていたはずなのに、実はそう言う相手がいたりするのだろうか。
でもよく考えればその方が無駄に傷付かなくて済むのかなーーそう思うのに、どうしてこんなにモヤっとするのだろう。
その理由を本当はわかっていた。思っている以上に、自分の中での瑠維の存在が大きくなっているのだ。
これじゃあ沼にハマって抜け出せなくなっちゃうーーしかももしフラれたら、すぐに浮上することは困難だろう。
キッチンに立ちながら、悶々と考え事をしていると、
「春香さん?」
と呼びかけられて、ようやく我に返る。
「は、はい⁈」
春香は瞳に飛び込んできた瑠維の姿を見て、思わず息を飲んだ。
瑠維はグレーのスーツに身を包み、再会した時と同じくコンタクトをつけているようだった。
春香の胸が大きく高鳴る。耳にまで届くほどの心臓の音は驚くほどの速さで打ちつけ、息を止めてしまったため、呼吸も激しく乱れた。
再会してからは普段着ばかりだったから、こういうギャップは心臓に悪すぎるーー。元々イケメンの瑠維が、更にカッコよく見えてしまう。
「ボーっとしていましたけど、どうかされましたか?」
「えっ、いや、なんでもないの。気にしないで」
「そうですか? それならいいですが……」
その時、スーツのジャケットの襟が立っているのを見つけた春香は、彼のそばまで駆け寄る。
瑠維の向かいに立つと、スーツの襟元へ手を伸ばした。
「瑠維くん、襟が少し立ってる」
「えっ……」
「うん、これで大丈夫ーー」
そう言ったのも束の間。互いの顔が至近距離まで寄っていたことに気付き、春香は目を瞬きながら硬直した。
昼食を食べたカフェに併設されたデリで、夕食用のおかずをいくつか購入してから、二人は瑠維のマンションに戻ってきた。
明日は仕事だし、一人なら少し怠けてしまおう。そんなふうに思いながら冷蔵庫に商品をしまう。
「春香さん、僕はこれから出かける準備をしますが、もしインターホンが鳴ったら出ずに教えていただけますか?」
「うん、もちろん」
そう告げて瑠維は書斎へと入っていく。
ここは瑠維の家だし、彼を通すのが当たり前だと思うのだが、わざわざそう告げるということは、何か知られたくない相手が来るのだろうか。
ま、まさか女性ーー? 好きになるのに時間がかかるし、彼女もいないと言っていたはずなのに、実はそう言う相手がいたりするのだろうか。
でもよく考えればその方が無駄に傷付かなくて済むのかなーーそう思うのに、どうしてこんなにモヤっとするのだろう。
その理由を本当はわかっていた。思っている以上に、自分の中での瑠維の存在が大きくなっているのだ。
これじゃあ沼にハマって抜け出せなくなっちゃうーーしかももしフラれたら、すぐに浮上することは困難だろう。
キッチンに立ちながら、悶々と考え事をしていると、
「春香さん?」
と呼びかけられて、ようやく我に返る。
「は、はい⁈」
春香は瞳に飛び込んできた瑠維の姿を見て、思わず息を飲んだ。
瑠維はグレーのスーツに身を包み、再会した時と同じくコンタクトをつけているようだった。
春香の胸が大きく高鳴る。耳にまで届くほどの心臓の音は驚くほどの速さで打ちつけ、息を止めてしまったため、呼吸も激しく乱れた。
再会してからは普段着ばかりだったから、こういうギャップは心臓に悪すぎるーー。元々イケメンの瑠維が、更にカッコよく見えてしまう。
「ボーっとしていましたけど、どうかされましたか?」
「えっ、いや、なんでもないの。気にしないで」
「そうですか? それならいいですが……」
その時、スーツのジャケットの襟が立っているのを見つけた春香は、彼のそばまで駆け寄る。
瑠維の向かいに立つと、スーツの襟元へ手を伸ばした。
「瑠維くん、襟が少し立ってる」
「えっ……」
「うん、これで大丈夫ーー」
そう言ったのも束の間。互いの顔が至近距離まで寄っていたことに気付き、春香は目を瞬きながら硬直した。