機動装甲ⅡR

「飲め」

レイカーがマグカップを鼻先に差し出す。

私はカップになど見向きもせず、レイカーの顔を睨んだ。

…コンロット社の宇宙輸送艦。

私はレイカーの指示に従い、ソルジャーカスタムを着艦させていた。

「私は貴方達の思想に共鳴した訳じゃない」

「承知している」

レイカーは艦内レストルームの椅子に座る。

「君が我々を敵視している事はよくわかっている。同時に、あのMk―Ⅱのパイロットを敵視している事もな」

ミハエル・レイカー。

暁の死神と呼ばれたエースパイロット。

そして、ラルフをパイロットとして育てた男…。

短い金髪を軽くかき上げながら、彼は話を続ける。

「我々に賛同しろとは言わん。いわばこれは同盟だ。利害が一致している間だけ、我々と行動を共にすればいい。Mk―Ⅱを墜とす為に、独自の行動をとってくれても構わん。無論、機体も補給もこちら側から提供する」

「…至れり尽くせりじゃない。何でそこまで?」

私の質問に。

「人手不足でな…優秀なパイロットは歓迎するさ」

レイカーは不敵に笑った。


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