機動装甲ⅡR

真紅郎

北米の国連軍打ち上げ基地から、一路宇宙へ。

クリフォンは大気圏を抜け、星の海を航行していた。

「……」

俺が医務室で目を覚ました時、既に艦は宇宙の真っ只中だった。

治療の際の麻酔がよく効いていたらしい。

気がつけば宇宙というのも、おかしな話だ。

『グリフォンの試験航行は中止。本艦は帝重工評価試験基地を襲撃したコンロット社を悪質なテロ組織と見なし、その討伐任務へと就く』

俺が目を覚ました直後、宗方艦長が艦内放送でそんな事を告げているのを聞いた。

討伐任務。

即ち戦闘だ。

いや、『戦争』と言い換えてもいい。

人型機動兵器を駆り、思想の違うもの同士が撃ち合い、命を奪い合う。

戦争以外の何物でもなかった。

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