Snow magic

プロローグ

『ねぇ……っ!待ってよ!ねぇ!』

私は、心の底から叫んだ。


それでも…、彼には聞こえない。



彼は私の声など聞こえないように私から遠ざか

っていく。


まるで……、私なんて知らないかのように。




届きそうだった距離も、あっという間に走って

も追いつかないくらいの距離が開いてしまっ

た。





『ねぇ…、何でなの…?』


私は息切れをしながら、呟く。


 

お願い……。


すべてを教えて……?




神さま…、もう1度だけでいいから。


私の前からどうして消えたのか、聞くだけでい

いから。


柚燈に会わせてください。
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