Snow magic
「……そんな面白い話でもないので遠慮しときます…。参考にもならないだろうし…。」
話したくないわけでもないが、私もまだ整理ができてなくて話せない気がする。
それに話すと余計自分が辛くなりそうだ。
「あら〜?遅れてきたのは、誰だった?」
とぼけたように再度誰だったっけな〜?ってお茶目に首を傾げている。
……ずる賢い人だ。
「それにその顔、何か悩んでるんでしょう?聞かせてくれたら力になれるかもしれないし。」
……やっぱり、この人には敵わない。
ずる賢いのにこんなにも優しいのだから。
「……うん、そうですね。話します。」
「そうこなくっちゃ!」
私の返事を聞いた瞬間、満面の笑みを浮かべた叶葉さんに少し呆れてしまう。
「はい。昔話からするので話し始めると長くなるけどいいですか?」
「全然いいわ〜。」
と軽く返事をして最初に頼んでいたコーヒーを一口すすった。
私もつられるようにコーヒーを一口飲んで、息をついてから言葉を続けた。
「……。じゃあ、話しますよ。」
「…えぇ。」
私は、昔の大切な記憶を手繰り寄せるように、手を伸ばした。