Snow magic
「で、なんでその彼氏くんは椛ちゃんの前から消えたの?」
ここからが本題だと、話を戻すように笑みを消して尋ねてくる。
叶葉さんには本当に悩んでいたことが伝わっていたらしかった。
「……それなんです。私もそれが不思議で…。今の今までずっと分からなくて…でも……」
「でも?」
私はそこで言葉を止めて、さっきの柚燈を思い出した。
ずっと、いなくなった理由が分からなかった。
喧嘩とかそういうのもなかったし、心当たりは1つもなかったから。
でも…………
「信じたくないんですけど、柚燈は目が見えなくなっていたんです……。」
「え…っ、目が…?」
と、叶葉さんは不意をつかれたように目を見開いた。
私はもう1度さっき起きたことを思い浮かべた。
目が見えなくなったと言って、障害者が持つ白杖を使っていた柚燈。
多分、それが理由かなと思うけど……私も混乱していたし、はぐらかされたのもあって彼がいなくなった真意はわからないまま。
……これから私は柚燈に歩み寄っていいのか、それとも、自分から姿を消した柚燈の気持ちを考えて自分の気持ちを押し殺すべきか。
本当に何が正解なのか、全く分からなかった。