Snow magic
桜也Side
「まじであいつやってんじゃん…。」
はぁ………。
俺、本那桜也は大きくため息を付いた。
…柚燈。お前がいなくなってから俺らは誰1人動いてねーんだよ。
…ずっと時止まってんだ、こっちのは。
心のなかでそう呟いた瞬間、電話がなった。
……ディスプレイには、
"柚燈"の文字。
「もしもし?色々と大丈夫なわけ?」
俺は電話をつなげた瞬間、柚燈の言葉も待たずに言った。
『久しぶり、ハル。…ハハッ。もう、ダメなんじゃない。…結構やばいと思う。』
と思ったより元気そうな声が聞こえた。
まぁ、セリフ的には結構まずそうだけど。
「……椛に連絡先渡したんだってな。全部話すのか?」
さっきから質問ばっかりしてこれじゃあ、俺は事情聴取をする警察だ。
『うん、普通にやらかしたって思ってるとこだけど。……ま、もう取り消すのは無理だから会うだけ会って、全部話してくる。』
と決意が滲んだ声が耳をこだました。
……。
「そうか。」
『……うん。』
「そ。椛も相当混乱してるから全て話してやれよ。」
さっきの椛を見る限り、今日はずっと考えてこんで寝ないだろう。
……昔から人の言葉や感情で振り回されるような優しいやつだったから。
『ま、だよなぁ……。』
それは、柚燈も見抜いていたんだろう。
はぁ…、と画面越しに大きくため息を付いた。
「……。病気の方は大丈夫なのか?」
俺は若干気まずくなって、話を変えた。
変に口出して2人の関係に邪魔したくないしな。
……あと、普通にずっと気になっていたことだし。
『フッ。ご心配なく。良くも悪くもなってないから。……じゃあね、電話ありがとう。』
多分ここに柚燈がいたら妖しい笑みを浮かべていたんだろう。
「あぁ、また今度な。」
俺も応えるように少しだけ笑いをこぼして電話を切った。