Snow magic
「……ううん。ただ、そう読み取れた。…小説書いてるから分かるんだよね、人の感情が自然と。」
と思ったが、違ったらしい。
優しい叶葉さんは自分から手を引いたのだと言う。
「だから…って、叶葉さん、気持ち伝えなかったんですか?」
「うん。……まぁ気づいていながらたまに会ってたからずるい女だけどね。」
再度悲しげな顔で呟いた。
そんなのずるいなんて言えない、いや言わない。
ずっと好きなのに、気持ちを押し殺して人の感情を優先する叶葉さんは、やっぱり本当に優しいと思う。
「だからってわけでもないけど……、大体私の書く恋愛小説はいつも素直な気持ちを最後にはぶつけるようなストーリーにしてるの。
……私ができなかったことを登場人物に押し付けてるみたいだけど。」
「……。」
そんな叶葉さんに私は何も言えなかった。
私は、今度は自分に置き換えて考えていた。
……明日、私は柚燈に会って、何を言うの…?
何も言わないで逃げ帰る……?なんで勝手にいなくなったの?って罵ればいいの?
私は、一緒にいたいって、素直な気持ちを言ってもいいの……?
「だからね、椛ちゃんは幼馴染の彼氏くんに素直な気持ちをぶつけてきなよ?…二度と会えなくなる前に。」
「……っ!!」