Snow magic
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次の日。妙にソワソワして、いつもより2、3時間早く起きてしまった。   


もちろん、光杞と桜也に不審がられたのは言うまでもない。



桜也なんてフッと笑っていたから事情は全部お見通しなんだろうなぁ。

光杞だって、昨日『探し求めてたものをやっと見つけたって顔してるんだもん。』って言ってたし。



…光杞に桜也に叶葉さんに、私はそんなにわかりやすいのだろうか…?





そして…。今、待ち合わせの10分前。


この日もあの時と同じく雪が降っていた。

私は星瀬浜のこの前と同じように坂の下りきったところの道路で待っていた。




…来る、かな………


スマホを抱えて、じっと待っていた。

けど、内心はバクバクで動きたくて仕方がない。


誰も見てる人はいないけど、多分表情はぎこちなく緊張していることが丸見えなのだろう。




柚燈は本当に私に会いたいの?とか、叶葉さんの言う通り私の気持ち言えるの?とか。

何より、私のせいで柚燈を傷つけたりしないか?とか。


ずっと同じことが繰り返しぐるぐる頭を駆け回っておかしくなりそうだ。





5分ぐらい待った頃だろうか。

いや、そんなに経っていないかもしれない。





カツンッ___


「……っ。」



カツコツカツコツッ

無機質な地面を叩く音がして、右側を向いた。

この前とは違って、私が立っているこの通りの右側の奥から柚燈はやってきた。



……良かった、とりあえず会えた。


大きく息を吸って、呟いた。




「……柚燈。…え、と久しぶりだね。」


「……。うん、久しぶり。」




そう答える柚燈は俯いているし、何を考えてるかなんて桜也たちと違って読むことはできない。

そんな柚燈に私はなんて声をかけていいか分からなかった。




「……。」

「……。」



妙に沈黙が流れて気まずくなってしまう。



……今まで、こんなことなかったのにな、


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