Snow magic
「ねぇ、椛。」
「えっ?あ、うんっ。何?」
びっくりした……。
先に口を開いたのは、柚燈で慌て頷いた。
「…ここ寒いし、坂の上のカフェ行かない?話はそこでするから。」
坂の上のカフェってことは、この前叶葉さんと打ち合わせに使ったところということだろうか。
「…うん、いいよ。」
「じゃ、行こ。」
と言って、慣れたように杖を使って方向転換し坂を登っていったので、半歩後ろに下がって柚燈について行った。
……寒いな。
柚燈の後ろをついて歩いていて考えられたのは、これだけだった。
しばらく歩いて着いたカフェはこの間来たときと変わらず、オレンジ色のライトが穏やかな雰囲気の店内を照らしていた。
「……皆、元気?光杞もハルも。」
席に着くとすぐに飲み物を頼むと柚燈があまり息つく間もなく話し始めた。
「う、うん。元気だよ。ずっとみんなであそこに住み続けてる。」
「……そっか。」
当たり障りのない話題から始めた柚燈は、何かに怯えているようだった。
勘違いかもしれないけど……。
「ねぇ___」
「お待たせしました。」
私が話しかけようとしたとき、丁度頼んだものを運んできた店員さんの声と被ってしまった。
……どうしよ、今からもう一回話し始めたら不自然かな…。
「……。うん、わかってる。話すよ。」
心臓がビクッと跳ねて、胸がギュッと締め付けられた。
まるで、特殊能力のように私の心の中を読んで返事をするようだったから。
……昔の、大好きな柚燈が目の前に戻ってきたから。