Snow magic
「なぁ、柚燈。」
『んー?』
縋り付くようだった声も一転、もうすでにいつも通りの呑気な声が電話越しに響いた。
「今日夜空いてる?飯食いに行かね?」
『……っ!?……はぁ。どーせ拒否権ないんだろうしいいよ。』
なにか言いたいことが伝わったのか、しょうがなく渋々と言うように頷いた柚燈。
「じゃ、いつものとこに6時半な。」
気づかないふりをして予定を無理やり組ませた。
……今まで俺も見て見ぬふりしてたけど、今日は絶対逃さねーから。
俺は心の中でめちゃくちゃ強く思った。
『はいはい。』
諦めたのか、めちゃくちゃ投げやりな言葉が聞こえる。
「…柚燈お前、まじで逃げんなよ。」
俺は一応釘をさした。
…あいつ、ほんと信用ならねーし。
『俺そんな信用ないわけ?さすがに逃げないよ。じゃ、また後で。』
笑いながら電話をプチッと切られた。
「……まだわかってねーな。」
俺は呟きながら準備をして、光杞に声をかけてから家を出た。
そんな桜也の顔は意外と明るかった、
……気がした。