Snow magic
「んー、うっま。」
「ね、味噌汁めっちゃおいしいよね。」
光杞が上げた驚嘆するような声に賛同した。
地元の島で両親が小さな飲食店を経営している桜也は、小さい頃から料理に触れて生きてきたため、料理の腕がピカイチなのだ。
だから、ルームシェアを始めてからは桜也たち
が分担して料理をしていた。
私はここに住んでから料理という料理をしたことがないし口出しもしたことがない。
「え、ねぇ桜也。」
「ん?」
しばらく3人とも静かに食べていると、
「このさ、肉じゃがってどーやって作ったの?なんか、ちょっと普通のっていうかいつものと違うよね?」
光杞は肉じゃがのじゃがいもを箸でつつきながら尋ねた。
「違う?違うってどういうこと?」
そう問いかけながら、私も試しに食べてみる。
…っん、確かに違う……。
いつもの桜也が作るのとは違う味だ。
……でも、え…?
ちょっと待って……?
あることに気づいた私は心臓がバクバクなり始める。
だって……、え……?
「いや、別にほとんど定番のレシピと一緒だと思うけど味付けにいつもと違う調味料が入ってるだけ。何が入ってるかは企業秘密。」
なんて桜也は意地悪げにニヤリと笑って人差し指を口に当てた。
「はぁ〜あ、ほんと桜也には完敗。それ以上美味しい料理なんて作れないや〜。」
しみじみと私の隣で光杞が呟いているが、全く耳に入らなかった。
これは……ずっと食べていないけど……、何回も食べた味で……覚えてる。
「ねぇ……、なんで桜也が柚燈の味を知ってるの……?」
「………。」