Snow magic





これは、桜也を超えるほど抜群の料理の腕前を持っていた、七瀬柚燈の味だ。

昔、高校生の頃、2人きりのときに柚燈が振る舞ってくれた味に違いない。



2人きりの秘密だといたずらげに笑った柚燈の顔とその料理に感動したあのときは鮮明に覚えているから。


それぐらいには大好き、だったから。

 





「ハハッ。……やっぱ分かるんだな。」

「……。」

バレないと思っていたのか諦めたようにカラカラ笑う桜也と気まずそうに顔を曇らせて黙った光杞。



「うん。」




「やっぱ、柚燈には勝てねーな。……昔聞いたことがあったんだ、このレシピ。たまたまそのレシピを最近思い出したから作ってみただけ。変に思い出させることして悪かったな。」


視線をそらしてきまりが悪そうに謝ってくる桜也。


2人には何も言っていないけど、私が恋人も仲いい人もこの何年も作らない時点でとっくの昔にバレているんだろう。




私がいつまでも柚燈のことを引きずっていることを。







「全然?別にだいじょーぶだよ。気にしない
で。それにしても、今日の和食おいしいね。」



だから、私はバレていることに気づかないふりをして隠し続けることにする。


私が作った笑顔を貼り付けるとホッとしたようにまた2人は食事を再開させた。


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